ローラーとサイディング

皆さんこんばんは、チームアイネックス・営業企画室の天野です。

今日は珍しく塗装のお話など。

昨今のサイディングはテクスチャ(柄)のバリエーションもさることながら、一枚の板に2色・3色と多彩に色が
使われていることが多く、凹凸との組み合わせで外壁に豊かな表情を与えてくれます。

多彩色を上回る“超”多彩色を売りにしているメーカーさんもあり、印刷技術の向上が続けば、いつかレインボー色
のサイディングが出る日も近いのではないでしょうか。(そんな色が外壁に向いているかどうかはともかく)

しかしながらネックとなるのは、多彩色であればある程、補修や塗り替えがやり難くなるという点。
サイディングが工場塗装であるが故の宿命です。
現場のサイディングがどれ程色鮮やかな板だとしても、塗り替え工事で職人さんがその手に握るのはローラーもし
くは吹付機。任意の1色で塗り潰されてしまうのは避けられません。
元々塗装の役割は外壁に防水機能を付与させるためのもの。
色が気に入らないからと言って経年で痛んだサイディングを放置すれば、いつか家に深刻なダメージを与えてしま
います。

そんな事情もあり、最近では塗り潰し回避用の塗料としてクリアコーティングが人気ですが、それとて古いサイディ
ングには不向き。
今回はとある御施主様の要望もあり、塗り潰しでもコーティングでもない、一風変わった手段を試してみました。

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取り出したるは、凹凸でそれぞれ色の違う2色刷りサイディング板。
このサンプル板を既存の外壁に見立てて、ローラーで真っ黒に塗り潰してしまいます。

002

上部は少し残していますが、黒1色の板になりました。
元のテクスチャと比べるとやはり、全体的にのっぺり感が出てしまうのは否めません。

003

そしてここからが職人さんの腕の見せ所。
毛の短いローラーで、表面だけを撫でるようなイメージで2色目を入れます。
テクスチャによって力加減も変わりますし、やり直しも難しいので職人さんの手感覚が頼りです。
塗り終わった板を横1列に並べると…。

004

なんということでしょう!(BGM:例のテーマ)
ローラーで表面と目地の色を塗り分け、疑似的に2色刷りを再現する匠の業。
あたかも元からこの色だったのではないかと思うくらいです。

そこまで大袈裟な手間は掛からず、他の難度の高い工法に比べれば割と簡単に色分け可能。
全てのサイディング板でできる工法ではありませんが、塗り潰しやクリアとはまた異なる選択肢の一つ
として是非オススメしたい手法です!

営業企画室 天野

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